海洋法の理解と知識共有を目的としたプログラムを実施(2018.05.30 | 社会

以下ニュースはブルネイ「ボルネオ・ブリテン」紙(B.B.)、ニュースサイト「ブル・ダイレクト」(B.D.)の記事を翻訳の上、掲載しています。

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日本の防衛省は5月10日から15日にかけて、第2回日ASEAN乗艦協力プログラムをインドネシア共和国周辺海域からマレーシア周辺海域を航行する海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」艦上にて実施した。なお、当プログラムは「ビエンチャン・ビジョン」の一環である。

加藤元彦駐ブルネイ日本国大使が5月10日、カンポン・キアロンにある在ブルネイ日本大使館で行った当プログラムに関するブリーフィングの席で明らかにした。

加藤大使によると、「ビエンチャン・ビジョン」とは、2016年11月にラオス人民民主共和国のビエンチャンで開催された第2回日ASEAN防衛担当大臣会合にて日本が表明した指針である。本ビジョンの指針に基づき、当プログラムは参加者間の相互理解・人ネットワーク構築、海洋安全保障に係る能力向上支援、並びに国際海洋法の認識共有に向けた機会を参加者に提供することで、地域の安定に寄与することを目的としている。

また、加藤大使は、当プログラムはインド太平洋地域の平和と繁栄に不可欠な、自由で開かれた海洋安全の促進に重点を置いた「自由で開かれたインド太平洋戦略」に基づいて実施されていると付け加えた。

当プログラムにはASEAN全加盟国から下級海軍将校が合計10名参加しており、ロイヤル・ブルネイ海軍(RBN)からはDya Mohamad Akmal Waqiuddin bin Mohamad Japin大尉が出席した。

当プログラムでは、人道支援・災害救援分野及び国際海洋法分野のセミナーを開催しており、参加者は各種訓練を見学した。

加藤大使は「自由で開かれたインド太平洋戦略」についても更に詳しく説明しており、この指針は安倍政権の下、国際協調主義の立場から、「地球儀を俯瞰する外交」を展開し平和に積極的に貢献するという日本外交の柱であり、この外交方針に基づき日本は今後も尽力し、改善し続ける所存であると付け加えた。

本戦略は、巨大な成長可能性を秘めた、急速に成長するアジアとアフリカという二大大陸が、インド洋を介してダイナミズムを生むことから、国際社会の安定と繁栄の鍵を握ると見られている。

本戦略に基づく日本の投資は、同国の外交方針の領域を拡大するというより広い目的の一環であり、インフラ整備、貿易・投資、インド太平洋地域のビジネス環境整備、人材育成、ASEAN諸国とのつながりを促進することに注力してきた。

また、ASEANにとっては、その経済的成功を中東やアフリカ等の他地域に波及させることができるというメリットもある。

ブルネイ国における「自由で開かれたインド太平洋戦略」の協力プロジェクトは、この他にも、海上における法の支配と航行の自由、並びに自由貿易についてブルネイ国の若者を啓発するJENESYS(21世紀東アジア青少年大交流計画)の平和構築プログラムや日英共催のサイバーセキュリティワークショップがある。また、2018年2月には日・ASEAN情報セキュリティ政策会議ワーキンググループ会合をブルネイ国で開催した。2018年8月には日・ASEANテロ対策対話、日・ASEANサイバー犯罪対策対話もブルネイ国で開催される。

海上の平和と安定、海事関連法の執行、人道支援・災害救援(HA/DR)協力に関する能力向上については、他の関連分野と共に、ブルネイ国と日本の間ですでに共同活動や共同プロジェクトが実施されている。その中には、日本の海上自衛隊によるムアラ港への年次寄港、海上自衛隊主催のセミナーへの招待(海上自衛隊幹部学校で開催される多国籍セミナー)、陸上自衛隊主催のセミナー、海上自衛隊によるロイヤル・ブルネイ海軍の下級海軍将校を対象にした訓練、ブルネイ国の下級将校に対する乗艦協力プログラムへの招待などによる「ビエンチャン・ビジョン」の推進協力などが含まれている。また、2018年1月にはブルネイ国と日本の国防担当高官による意見交換が開催された。

「ASEAN加盟国の下級将校の皆さんは、日ASEAN乗艦協力プログラムを通してより深い知識を得られ、互いに協力して友好を深め、『自由で開かれたインド太平洋戦略』について習熟できるでしょう」と加藤大使は述べた。

(B.B.5月11日)