「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、日本が力を尽くす(2019.07.18 | 社会

以下ニュースはブルネイ「ボルネオ・ブリテン」紙(B.B.)、ニュースサイト「ブル・ダイレクト」(B.D.)の記事を翻訳の上、掲載しています。

インド太平洋地域の安定と繁栄の要因の一つとして、海洋の安定的な利用があげられるが、日本は「法の支配」や「航海の自由」などの基礎となる国際秩序を保ち、安全な海上輸送を保証することにより、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて恒常的に尽力している。

海上自衛隊の平成31年度インド太平洋方面派遣訓練の一環として、ブルネイ・ダルサラーム国に寄港した護衛艦3隻のうちの1隻である「むらさめ」艦上で行われた記者会見において、第1護衛隊群司令の江川宏海将補は、航海の自由の重要性について強調した。

護衛艦「むらさめ」の他には、海上自衛隊いずも型護衛艦の旗艦船である、ヘリコプター搭載護衛艦「いずも」と護衛艦「あけぼの」がブルネイに寄港した。3隻の乗組員は総数約800人に上る。

いずも型のヘリコプター搭載護衛艦がブルネイに寄港するのは今回が初めてである。 3隻はこれまでにマレーシア、シンガポール、ベトナムを訪れており、ブルネイ寄港後はフィリピンへと向かう。

記者会見に臨む第1護衛隊群司令の江川宏海将補

護衛艦「あけぼの」を視察するブルネイ王国海軍大将のNorshahrinizam bin Talib艦長代理
 と加藤元彦駐ブルネイ日本国大使
護衛艦「あけぼの」に搭載のヘリコプター

ブルネイ王国海軍司令官のNorshahrinizam bin Talib艦長代理も同席した記者会見で、第1護衛隊群司令の江川宏海将補は世界貿易の交易路としての南シナ海の重要性も強調した。

「世界の海上貿易の三分の一が南シナ海を通過しています」と江川海将補は述べており、「日本を含め、多くの国が海上の自由と南シナ海における海上貿易の恩恵を受けています。ですが、テロ、海賊行為、自然災害など海上における問題や課題は増加しています」と語った。

江川海将補は南シナ海を含めた海上の安定維持と安定した海洋の利用には、「域内の海軍との関係強化と協力が増々重要になっています」と述べた。また、だからこそ「海上における安全を強化するため、日本と域内のパートナーの連携を強化することが重要です」と述べた。

日本の交易は海上交通に依存していることから、この地域における海上安全は欠かせないものである。

「自由で開かれたインド太平洋」を達成するため、海上自衛隊は域内の海軍と様々な活動を展開していると江川海将補は述べた。

「現在遂行中の平成31年度インド太平洋方面派遣訓練はこのまさにこの取り組みの一環です」と江川海将補は述べた。「我々は域内のパートナーと共に、共同訓練や親善寄港、防衛に関する意見交換など様々な機会を通して、地域の平和と安定に貢献してきており、これからも貢献していきます」今回の派遣訓練にて、ブルネイで実施する共同訓練には日ASEAN乗艦協力プログラムが含まれていると江川海将補は語った。さらに、このプログラムはASEAN加盟各国の若手士官を招待して実施し、海上の安全に関する共通認識を深め、将来につながる域内の人間関係を構築することにより、地域の安定に貢献することを目的としているとつけ加えた。

ブルネイと日本の防衛上の関係について、江川海将補は海上自衛隊とブルネイ海軍(RBN)の相互協力と交流は順調に発展していると述べた。

「今年初めの2月には村川海上幕僚長が海上自衛隊のトップとして初めてブルネイを公式に訪問しました。そして本日、我々はムアラ港に入港しました」と江川海将補は述べた。「いずも型ヘリコプター搭載護衛艦がブルネイに寄港したのは今回が初めてです。『いずも』は海上自衛隊最大の護衛艦であり、人道支援や災害救援など様々な任務に対応できる高い能力を備えています」

「この艦はこの地域で人道支援や災害救援が必要となった場合にも貢献することが期待されます。海上自衛隊とブルネイ海軍の協力関係を強化することに加え、今回の親善訪問が日本とブルネイ・ダルサラームの関係を深め、地域の平和と安定に貢献することを期待します」

加藤元彦在ブルネイ日本国大使は「自由で開かれたインド太平洋」の重要性を強調した。

「自由で開かれたインド太平洋が重要です。我々は『法の支配』と『航海の自由』を維持しつつ、安全な海上輸送を保証します」と大使は述べた。「日本はASEANと共に自由で開かれたインド太平洋で重要な役割を果たします」

大使はまた、ブルネイと日本の友好関係についても取り上げ、当時皇太子だった天皇陛下が第一王宮にて開催されたアルムタディ・ビラ皇太子兼総理府上級大臣の結婚式にご参列されたことを取り上げた。

「日本とブルネイ・ダルサラームは特にエネルギー分野で強力な関係を築いています。(日本のエネルギー需要に対する)ブルネイの支援に感謝申し上げます。天然ガスの輸出は1972年に始まりました」と大使は付け加えた。「現在はロイヤルブルネイ航空が東京に就航しており、ブルネイを訪れる日本人観光客の数も増加しています。来月には大規模な日本からの経済使節団がブルネイを訪問します」

3日間にわたる海上自衛隊艦隊のブルネイ訪問中には、ブルネイ海軍と多くの活動が実施される予定である。その中には、親善交流プログラムやスポーツ交流、文化交流などの活動も含まれる。社会活動の一環として、海上自衛隊の隊員はムアラビーチの海岸清掃ボランティアも実施される。

海上自衛隊の護衛艦はブルネイ海軍のダルッタクワ艦との共同親善訓練PASSEXをブルネイ領海内にて6月26日に実施する。

ASEAN各国の海軍士官も参加する第3回日ASEAN乗艦協力プログラムがフィリピンに向かう「いずも」の艦上で実施され、ブルネイ海軍の士官1名もこれに参加する。

(B.B.6月24日)