6月18日、ハサナル・ボルキア国王は、千葉県袖ヶ浦市にあるブルネイ産の液化天然ガス(LNG)を受け入れている東京電力と東京ガスの施設を訪問した。この訪問に際し、国王はアブドゥル・アジム王子を同行させた。
袖ヶ浦発電所到着時、国王一行はペヒン・ヤヒヤ エネルギー大臣(ブルネイLNG(BLNG)社会長、ブルネイ・シェル・タンカーズ(BST)社会長を兼務)の出迎えを受けた。白川進東京電力副社長、鳥原光憲東京ガス社長、小島順彦三菱商事社長、武田稔シェル ガス&パワー ジャパン社長、グラハム・ヘンダーソン ブルネイ・シェル・ペトロリアム(BSP)社社長、及びフレッド・スミンクBLNG社長も国王一行をお出迎えした。
ブルネイLNGの買主である東京電力/東京ガス両社を代表して、東京電力白川進副社長が歓迎スピーチを行った。
東京電力(1951年創業)は、日本で最大かつ世界第3位の電力会社であり、従業員は38,000人以上である。東京電力は192箇所に発電所を有し、総発電能力は約61,835MWで、東京、横浜、及び関東一円の2,809万件の顧客に電気を供給している。
東京ガス(1885年創業)は、1973年以来ブルネイからLNGを輸入している。
国王は、LNG受入基地の操業と火力発電所に関するプレゼンテーションを受けた後、施設を視察した。
国王一行はLNG船“Bubuk”号に乗船し、モハマッド・ダミットBLNG社部長(マーケティング&シッピング担当)、フィル・ルースウェイト・ブルネイ船団マネージャー及びブルネイ人オフィサーの出迎えを受けた。国王は、アイレス・Dコスタ船長に船内を案内され、艦橋、乗務員室、病院、ジム等を視察した。
下船前、国王は記念プレートにサインをし、またペヒン・ヤヒヤ大臣からギフトを受け取った。
“Bubuk”号を含む‘B’クラスLNGタンカー7隻は、BST社が運行しており、それぞれの船の積載能力は約75,000立方メートルで、1973年以来ブルネイからLNGを輸送してきており、凡そ35年間に5,000カーゴ以上(約1億9,300万トン)のLNGを受渡している。
日本は世界最大のLNG輸入国であり、ブルネイLNGは日本の総輸入量の約11%を占めている。東京湾では5箇所の受け入れ基地でLNGを受け入れており、袖ヶ浦受入基地が最大規模である。袖ヶ浦基地は、ブルネイLNGの操業にとって非常に重要であり、同基地の年間受入れ数量の44%に当たる年間420万トンのLNGを、ブルネイから受入れている。
国王がLNG受入基地を訪問したのは今回が初めてであり、その目的は、LNGの供給元としてのブルネイLNG社と日本買主との協力関係を更に強化することである。
BLNG社は現在、2回目のプラント若返り工事を行っており、信頼されるLNG供給元として立場をさらに強化している。この工事が完成すれば、BLNG社は現在の売買契約が終了する2013年以降の操業継続がより確かなものとなる。
受入基地訪問には、ペヒン・リム・ジョクセン第二外務貿易大臣、ダト・アダナン日本駐箚ブルネイ国大使、及び橋本逸男ブルネイ駐箚日本国大使も同行した。
(B.B.2007年6月19日)
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