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以下ニュースはブルネイ「ボルネオ・ブリテン」紙(B.B.)、ニュースサイト「ブル・ダイレクト」(B.D.)の記事を翻訳の上、掲載しています。

スルタン(ハサナル・ボルキア国王)談話:食糧、国家安全保障問題が最優先課題(2008.07.22/政治)

 7月15日、スルタン(ハサナル・ボルキア国王)は、ブルネイでも影響を受けている食糧価格や石油価格の高騰といった世界的な緊急課題について触れ、小売業者やサプライヤーに対しては商品価格の値上げをしないように、国民には消費に対して慎重になるように、更には消費社会から節約型社会へのライフスタイルの転換、米の増産、環境保護促進を訴えた。
 イスタナ・ヌルル・イマン(王宮)において、慈悲深い国王の62歳の誕生日を祝して開催された謁見と認証式の式典で、国王は、ブルネイは米の自給率の低さから米の生産を増やす必要があり、また人的資源計画を再検討する必要があると強調した。一方、タバコ製品の使用及び販売に関する規制については称賛した。
国王の談話の主旨は次の通り。
「政府は、定年後の安定した生活を保証し、かつ定年制度に関する政策を促進する仕組みを再検討しています。隣国が大災害に見舞われたことを考えると、これらの災難から我が国を救ってくれた神に我々は感謝しなければなりません。神のご加護のある我が国家が神の恩恵により、災害を免れることが出来たと我々は確信しています。
今年、我々は、石油価格の高騰が世界を大混乱に陥れていることを経験しています。神のお蔭で、我が政府は、自動車用国内石油価格を値上げしていません。助成金は増大し、2007年には2億ブルネイドル(B$)に達しました。これは、今年も助成金が増加し続けることを意味しています。この助成金を維持する為、政府の節約策に沿って、あらゆる分野において、節約文化の実現、特に自動車燃料を節約する為にあらゆる人々が責任を担わなければなりません。更に、我々は、燃料の密輸行為の防止を怠ることなく、電力についても良識的に使用することが重要です。
もう一つは、世界的な問題である食糧価格の高騰です。神のお蔭で、国民は、辛抱強く、かつ慎重にこの状況に対処してきました。しかしながら、全国民の為に、サプライヤーや小売業者には希望価格に値上げしないことを希望します。また、米を含む穀物の生産国での減産により世界不安を引き起こしている現在の食糧危機に我々は目を向けなければなりません。
生産国は、自国民に米の備蓄を放出しなければなりません。増加している世界人口に比して農業生産が激減している場合、食糧危機は悪化します。世界人口は、2006年の65億人から2012年には70億人に増加すると予測されており、人口増加と食糧減産では確かに釣り合いがとれません。これは気候変動によって更に悪化します。地球温暖化は、環境面に影響を及ぼし、生命に対する新たな脅威となっています。
地震、洪水、嵐といった恐ろしい自然災害が、食糧資源に世界的悪影響を及ぼしています。我が政府は、必需品として米を作り、長期間に亘り助成金を支給してきました。自動車燃料と同様に、米に対する助成金の歳出も増加しました。これはブルネイ国民に対して米価を安定させる必要があるからですが、生産国が他国への穀物類の輸出を停止させたときには、我が国も食料品価格高騰からは逃れられないでしょう。
このような状況から、ブルネイは国内の米の備蓄を維持する為には、他国で発生する自然災害のような不測の事態に翻弄されるべきではありません。現在の食糧危機において、生計を支える為に現金資産に依存する姿勢を改めなければなりません。現在、自給率70%の他国が100%まで自給率を引き上げる政策に転換した場合、米の自給率が3.12%の我が国がその生産量を増大させる努力をしない訳にはいきません。この件については随分前から問題を提起してきましたが、我々には戦略的計画と農業政策が必要であり、この計画と政策が何よりも国家食糧安全保障につながるものとなるでしょう。
経済への起爆剤については、あらゆる課題に対応する為、国民は少しずつ努力を重ねていく必要があり、それに関連する人的資源の計画と政策を再調整する必要があります。具体的には、職を求めている卒業生や中退者への訓練計画に対して、政府は、人的資源基金から2,800万B$近い金額を割り当てました。民間企業における外国人労働者への依存を軽減することにより、失業者数が減少することが望まれます。
最近、公務員、民間企業従業員、或いは自営業者の社会保障、特に定年後の生計と家族の扶養に関する議論が活発になっています。これについて政府は現在、国民の定年後の充実した保証の仕組みと我が国の退職制度・政策を改善することを再検討しています。消費社会から節約型社会にライフスタイルを転換する為のプログラムが早急に策定されなければなりません。
開発における危険化学薬品、生化学等の廃棄物やゴミの処理において、我々が環境維持に失敗した場合、その悪影響は甚大である為、ゴミ処理問題に真剣に取り組むことが大切です。
ゴミを放置しても得することはなく、もしこのゴミ処理対策が確実に行われなかった場合、我々が夢見ている先進国のステータスを得ることは出来ないでしょう。関係機関はこの問題を確実に解決しなければなりません。国民はゴミ処理区域の有効利用に協力すべきです。国民が協力することにより、我々は衛生的で健全な環境を享受できます。
健康については維持と管理が必要です。健康的な生活習慣を維持する方法として、管理された食事と定期的な運動が不可欠です。
タバコ製品の使用及び販売に対する規制を称賛します。タバコ法2005年が今年の6月に施行されたことにより、喫煙による疾病が減り、生活の質の改善が期待されます。他国とは異なり、我々は喫煙に全く関心がないので、喫煙を抑制する行動は難しい問題ではありません。我々は、世界で最初に喫煙を拒絶する国となる可能性が十分にあると感じています。喫煙は“ハラム”(禁じられている)であることを忘れてはなりません。喫煙に起因する深刻な疾病が減少すれば、政府の医療費削減につながります。
教育については、政府は21世紀教育制度(SPN21)を導入する為に現在、国家教育制度を調整しています。来年早々に実施する計画であり、その実施が経済開発・人的資源開発課題に応え、かつ国家の願いを後押しすることを希望します。
国際関係においては、我が国の理念と実利的な外交政策により、隣国との関係が密接になり、深化しています。東南アジア地域の平和と安全保障に向けた我が国の政策は、昨年シンガポールでのアセアン憲章の批准によって更に強化されました。
アセアンにおける二国間貿易、加盟国間貿易との協力を通して、またAPEC(アジア太平洋経済協力)、OIC(イスラム諸国会議機構)、WTO(世界貿易機関)、英連邦を含む他の国際機関を通して、我が政府はより多くの市場機会の開拓を更に推し進めます。
我が政府は周辺地域及び国際的に国家安全保障を怠りません。国家安全保障問題は、予測できず、それを克服する為の国家能力は重要です。外交と国防は、国家安全保障問題についての考えを共有する訓練やフォーラムを通して強化されます。」
(B.B.2008年7月16日)


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